酵素ダイエットを格付け!効果やメリット・デメリットは?

酵素ダイエットの方法は以下の通りです。

①酵素ドリンクを水で割り、それを360ミリリットルずつ毎日5~6回飲む

②または毎日、1食分を酵素ドリンクに置き換える

 

酵素ダイエットの背景

巷で流行しているダイエット法を調べていくうち、「酵素ダイエット」なる言葉に出合いました。肥満治療を専門としてきた私にとって、最初、この言葉の意味が理解できませんでした。なぜなら食品中やヒトの体内には未知のものも含めて無数ともいえる酵素が存在するからで、「えっ、酵素ってどれのこと?」という感じだったのです。

酵素は、たんぱく質を短く切り分けるためのハサミのようなものです。私自身、肥満や動脈硬化症の原因を探るためのバイオ研究にも携わってきましたが、そのための実験で、たんぱく質を試験管内でバラバラにするため、あるいは遺伝子を部分的に切断するためにさまざまな酵素を使ってきました。

酵素には、このように特殊なものがある一方、「消化酵素」のようになじみ深いものもたくさんあります。夏目漱石の小説『吾輩は猫である』の冒頭に、タカヂアスターゼという胃腸薬が出てきますが、これはでんぷん分解酵素です。名称中、「ヂ」の文字を用いているのは、これが商標登録名だからです。市販の総合胃腸薬には、これも含めて、ジアスターゼ、アミラーゼ、リパーゼなどが定番の消化酵素として配合されており、知らずに服用している人も多いはずです。だからこそ、たんに酵素といわれてもどれを指しているのかがわからなかったのです。下手な役者を大根と呼ぶのは「どちらも滅多に当たらないから」という説がありますが、大根にはジアスターゼが含まれていて、胃腸にやさしいことが経験的に知られていたのかもしれません。

いろいろ調べていくうち、「酵素ドリンク」「酵素サプリメント」なるものが流行していることもわかりました。多数の製品があり、おもな成分は薬草エキス、野菜、アミノ酸、ビタミン、甘味成分などで、にんにく、ココナッツなどを含んだものもあるようです。

消化酵素であれば、前述したように名称の最後が「(ア)-ゼ」(英語で-ase)となっているはずですが、そのような名称は成分表をいくら眺めても見つかりません。それもそのはず、ほとんどの消化酵素は薬であるため、これらを配合した製品は医薬品としての認可が必要となり、取り扱いも難しくなります。いわゆる酵素ドリンクは、たんなる食品として販売されているものですから、酵素は配合されていないのです。

中には巧みな宣伝文句もあり、たとえば大根を加えたドリンクで、「当製品を特殊分析したところ、微量のジアスターゼを検出」と記述したものもありました。野菜にも消化酵素は含まれていますから当然のことです。

という具合で、酵素が入っているのかどうかさえわからないものの効果について、科学的根拠を探すこともできず、酵素ダイエットについてはコメント不能としか言いようがありません。あたかも消化酵素を配合したかのような印象を与える宣伝文句を並べた製品については、法律に低触している可能もあり、消費者としては騙されないようにすることです。

 

酵素ダイエットの良い点/酵素ダイエットの疑問点

コメント不能

 

酵素ダイエットの格付け

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