ヨーグルトダイエットを格付け!効果やメリット・デメリットは?

ヨーグルトダイエットとは、以下の方法を用いたダイエットです。

ヨーグルトダイエットの方法

①一食分をヨーグルトだけにする
②1回で120~200グラム(ひとり用1~2パック)を食べる
③毎食、少しずつ食べる方法もある
④夜食をヨーグルトにするという方法もある 

ヨーグルトダイエットの背景

「ヨーグルトには乳酸菌などの善玉菌がたっぷり」は定番の宣伝ですが、そのため健康食品の代表格と考えている人も多いことでしょう。
しかし本来は乳製品、つまり動物性の食品ですから、本当に健康によいかどうかは疑問です。牛乳に多く含まれ、動脈硬化症の原因になるとされるパルミチン酸は、製造過程で低減するようですが、病院における私の経験でも大いなる問題があります。つまり、中性脂肪の検査値が極端に高いという患者さんの中に、多量のヨーグルトを毎日食べているという人がいます。このような人に対して、薬は使わずにただヨーグルトを食べないよう指導しただけで、多くの場合、検査値が劇的に改善するのです。

そんな経験もあり、ダイエットにヨーグルトを用いるという発想は、私にとってまったくの想定外でした。真相を探るべく海外の学術文献を当たってみたところ、意外なことに関連する研究が少量ながらも存在することがわかりました。その中から信頼できそうな文献をひとつご紹介します。

昔から、カルシウムが骨を丈夫にするだけでなく、ダイエットにも効果があるといわれています。そこで公平に分けた2つのグループの一方に、カルシウムが多く含まれている

ヨーグルトの銘柄を選んで、毎日170グラム(小さめのひとり用パック2個ほど)ずつ食べ続けてもらい、他方にはゼラチンゼリーにカルシウムサプリメントだけを加えたものを食べてもらい、観察を行なったのだそうです。どちらもカロリーは同じで、また一日分のカルシウム量も500ミリグラムくらいずつでした。

12週間後、ヨーグルトを食べたグループで、体重と体脂肪があきらかに減少していました。カルシウムが遺伝子に作用し細胞の中の中性脂肪を分解するという仕組みは、以前からわかっていました。しかし同じ量のカルシウムを取ったにもかかわらず、なぜヨーグルトがやせる効果を発揮したのかについて、まだ解明はなされていませんが、非常に興味深いデータです。

一般書の例

『朝1杯のヨーグルトスムージーできれいにやせる!』(新生暁子著、松村圭子監修、青春出版社)
『ヨーグルトでもどす魔法の乾物レシピ(主婦の友生活シリーズ)(DRY and PEACE・佐藤秀美監修、主婦の友社)

ヨーグルトダイエットの良い点

ひとり用のカップ入りヨーグルト1個分は80~120グラムですが、100グラム当たりの熱量で比べると、50~120キロカロリーと製品によりかなりの幅があります。製法が多様なためで、原料として生乳だけを使ったもの、脱脂粉乳だけのもの、あるいは両者を混ぜたものなどがあり、また糖分を加えたものと加えないものがあったりします。

そのためか、カルシウムの含有量もまちまちで、製品により100~270ミリグラムと大きな違いがあります。前述で報じられた実験では、一日のカルシウム量が500ミリグラムくらいでしたから、よほど商品をしっかり選ばないと、やせる効果は期待できないことになります。

この条件を満たしたうえで、一日に食べる総カロリーはそのままに、一部をヨーグルトに置き換えるという方法であれば、やせる効果は期待できそうです。たとえばある製品は、ヨーグルト200グラム入りのカップにカルシウムが431ミリグラム入っていて、熱量は150キロカロリーだそうですから、茶碗に6分目ほど盛ったご飯とこれを置き換えればよいことになります。

たんに好きだからとか、あるいは骨を丈夫にしたいからとかの理由で、毎日ヨーグルト
を食べている人も少なくありません。ヨーグルトダイエットは、長く続けられるという利点もありえそうです。

ヨーグルトダイエットの疑問点

中性脂肪の値が極端に高い患者さんの例で述べたように、ヨーグルトは乳製品ですから、食べすぎることで検査値を悪化させたり、動脈硬化症など病気のリスクとなったりする可能性も否定できません。

海外の文献の多くは、カルシウム含有量の多い製品を食べたところ、短期間に限りやせる効果が認められたとしているだけで、動脈硬化症や心臓病など将来の病気リスクについて調べたものではありません。

ヨーグルトに限りませんが、特定の食品に偏ったダイエットは避けるべきでしょう。

ヨーグルトダイエットの格付け

6点/10点

▼理由

・ヨーグルトは乳製品の中では比較的、健康に良い食品だから
・カルシムが多く含まれている点も評価できる
・毎日食べている人も多く、長く続けられそう
・十分なデータの裏付けがなく、効果と安全性に疑問が残る

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